FMH Inside Story

FMH “拡がる” Inside Story

会社情報

Vol.1 株式会社 ニッポン放送

FMH “拡がる” Inside Story

田口真也(プロデューサー)
内田悠菜(ディレクター)
ファンクラブ、SNS、大規模ライブ… メディアの枠超え、湧きあふれるラジオの世界

田口真也(プロデューサー) 内田悠菜(ディレクター)

今年7月に開局70周年を迎えたニッポン放送。その代名詞ともいえるラジオ番組『オールナイトニッポン』は、時代を彩る“旬”のアーティストやお笑い芸人らがパーソナリティを務め、深夜ラジオの人気を牽引してきた。近年はSNSやイベント、ネット配信なども活用し、オールナイトニッポンワールドを広げている。

金曜深夜の『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』は2015年3月の番組開始から10周年を迎える長寿番組。お笑いコンビ三四郎によるリスナーを巻き込んだトークが好評だ。加えて、公式ファンクラブの開設やバスツアーの開催などラジオの枠を超えた企画も展開。11月24日に『ニッポン放送開局70周年 三四郎のオールナイトニッポン10周年記念 バチボコプレミアムライブin日本武道館』の開催を予定するなど、さらに勢いを増す番組の魅力について、プロデューサーの田口真也氏とディレクターの内田悠菜氏に話を聞いた。

10年続く人気の秘密を教えてください
田口P
三四郎の2人は、中学・高校時代の同級生だったこともあり、教室で話しているような自然体のトークが愛されるポイントのひとつだと思います。放送中に届いたメールをきっかけに予想外の展開が生まれることがよくあります。深夜に友達と時間を共有するような連帯感を作り出せているのではないでしょうか。
内田D
先日も放送内で米国50州を全て思い出そうという展開になり、エンディングで最後の州名を言えた瞬間は盛り上がりました。番組の2時間のうちに何が起きるか分からないワクワク感があることも、また聴こうと思ってもらえる魅力の一つだと考えています。
田口真也(プロデューサー)
田口真也(プロデューサー)

主なリスナーはどんな人たちですか
田口P
オールナイトニッポンは10代~20代前半の学生を中心に聴かれているのは昔から変わりません。『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』は10年前の番組開始当初からのリスナーもいるので年齢層は拡大しています。近年はラジオ配信プラットフォーム「radiko(ラジコ)」のタイムフリー機能や、音楽配信アプリなどで時間を問わず聴けるので、社会人になって生活リズムが変化しても聴きやすい環境になったことも幅が広がった要因です。
内田D
過去の放送を聴けるサブスク(定額課金)サービスもあるので、聴き始めたばかりのリスナーもさかのぼって楽しめます。制作陣にとっては記録に残る緊張感はありますが、ラジオに接する機会が拡(ひろ)がっていると思います。
内田悠菜(ディレクター)
内田悠菜(ディレクター)

ラジオ番組では異例の公式ファンクラブ「バチボコプレミアムリスナー」を開設していますね
田口P
番組発のファンクラブは、ニッポン放送として初めての試みでした。2021年にスタートし、会員限定のプレミアムラジオや放送後記、過去のアーカイブなど放送を120%楽しんでもらえるコンテンツを展開しています。その一つ『小宮のバチボコラジオ』は裏方の制作スタッフも登場するなど、番組をさまざまな観点から体感してもらえると思います。
ファンクラブやバスツアーなどの企画はどう考えていますか
田口P
一番の軸はラジオなので、『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』の空気感を大事にしています。番組の延長線上にあって、さらに盛り上がるのが理想です。だから放送は、ファンクラブやライブに参加しないリスナーも置いてきぼりにせず、誰でも楽しめるような形を心がけています。
内田D
イベントグッズも番組を聴いていたら分かることを重視しています。内輪ネタともいえますが、制作陣はリスナーなら楽しんでもらえるという、ある種の信頼を寄せて企画しています。普段から番組を聴いている皆さんにお越しいただくので、前代未聞の企画でも一緒に形を探りながら行動してもらえます。リスナーのおかげで成立しているともいえますね。

小宮浩信(左) 相田周二(右)

今後はどのような展開を考えていますか
田口P
ラジオは耳で聴いて楽しむ媒体なので「ながら聴取」ができ、ほかのメディアと組み合わせやすいことが特徴の一つです。特にSNSと相性が良いので放送中にオールナイトニッポン関連の投稿が相次ぎ、話題のワードの上位を独占したケースもありました。これからも新たなメディアや技術とうまく掛け合わせてより魅力を増幅したいです。それに取り組めるのがニッポン放送の良さだと思っています。
内田D
オールナイトニッポンはスポンサーの企業さんが番組のノリを理解してくださることが多く、タイアップ企画が盛り上がります。番組を15年、20年と続けられるよう、リスナーはもちろん、企業の皆さんなども巻き込んで新たな取り組みに挑戦していきたいです。

三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)

1.バスツアーでパワースポット巡り

番組公式ファンクラブ「バチボコプレミアムリスナー」はオリジナル番組やブログ、ムービーなど会員限定のコンテンツが充実。昨年11月には「三四郎と行く!バチボコプレミアムバスツアー」を実施し、約100人が参加した。番組ゆかりのパワースポットを巡る移動中は、三四郎が順番に3台のバスに乗車。音声は全車両にリアルタイムで流し、参加者全員が“生ラジオ”を楽しんだ。「バスツアーのようなリアルのイベントはリスナーと同じ空間を共有できる瞬間になるし、制作陣も『こんな人が聴いてくれているんだ』という気付きにつながる」(内田D)

2.サプライズ飛び出す生放送

オールナイトニッポンの大きな特徴が生放送。だからこそ、パーソナリティの人間性が垣間見えるエピソードが聴けたり、飛び入りゲストが登場したり、ときにはコンビの本気の言い合いなどハプニングを生み出すことも。『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』では2022年2月の放送冒頭で、ツッコミの小宮浩信が唐突に結婚を発表し、サプライズを仕掛けられた相方の相田周二が戸惑う様子が話題になった。「有名なアーティストや芸人、俳優が深夜に生放送することは、ほかのメディアにはない特徴。“生”の臨場感を大切にしていきたい」(田口P)

3.10周年記念!武道館ライブにファミリー再結集

11月24日に開催する武道館ライブは、三四郎の番組イベントとして2回目のライブイベントになる。3年前に東京国際フォーラムで初開催したイベント「バチボコプレミアムライブリベンジ」に出演したお笑いコンビ「はんにゃ.」の金田哲や、KAƵMAら“ファミリー”が再びゲストとして登場する予定。
前回は人気フリートークの再披露やゲストトーク、新作漫才など盛りだくさんの内容で、大熱狂のうちに幕を閉じたが、今回はどうなるのか。「普段は一人で聴くことが多いリスナーの思いが、会場で共有されて爆発するのがラジオ番組発のイベント。これを機に番組をより好きになってほしいし、さらに聴いてみようと思うきっかけにしたい」(田口P)

大型特番『笑顔にナーレ!』に、観覧リスナー殺到!

ニッポン放送は開局記念日の7月15日に、70周年特別番組『笑顔にナーレ!』を放送した。17時間の大型プログラムにタモリや高田文夫、松任谷由実、あいみょん、三宅裕司ら人気パーソナリティが続々と登場するなか、三四郎が東京・有楽町のニッポン放送本社にあるイマジンスタジオから特別番組『三四郎の爆湧きラジオ』を公開生放送。オールナイトニッポン0(ZERO)の勢いそのままのトークで、お祭り気分を盛り上げた。

午後7時からの生放送は、ツッコミの小宮浩信の「今日みたいにまともな時間にラジオをできることが本当にうれしいです」という喜びの声でスタートした。深夜に生放送するオールナイトニッポン0(ZERO)への“当てつけ”ともとれる言葉が続くと、相方の相田周二が「そんなこと言うなよ」と制しつつゲストを紹介。お笑いコンビ「きしたかの」の高野正成と「ラブレターズ」の溜口佑太朗の名前を読み上げると、小宮が「70周年なのに脆弱~」とイジリで笑いを誘った。

リスナーが入れ替え制で見守るなか、三四郎の恒例の年越特番で「クイズボーイ」を務める溜口がニッポン放送やオールナイトニッポンにまつわる問題を出題し、スタジオの三四郎らと共に、リスナーもメールで回答。結局、このコーナーが長引き、1時間の番組はエンディングに。ニッポン放送本社周辺には受付時間ぎりぎりまで観覧希望のリスナーが列をなし、ホタルイカの豊漁の様子に由来するタイトル通り、「爆湧き」の特番となった。

(本記事は2024年11月7日時点の内容です)

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番組情報 : https://www.1242.com/

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